年度末の3月28日に、消費税基本通達の改正が公表されましたが、リース取引の扱いについて、特段の記載はありませんでした。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shohi/kaisei/080219/01.pdf

したがって、平成20年4月1日以降のファイナンス・リース取引に係る消費税額は、賃貸借処理をした場合でも、取引開始時にリース料総額の消費税額を仕入税額控除することになります。
詳細については、リース事業協会のパンフレットをご参照ください。
http://www.leasing.or.jp/20080311lease.pdf

なお、上記パンフレットや会計専門誌に書かれているように、仮払消費税額だけの仕訳を起こしても、システム上、消費税集計表等の関連帳票に反映できませんので、実務上は対応できないでしょう。現行会計システムに修正なしで対応させるためには、300万円以下の所有権移転外ファイナンスリースも全て資産化した方が簡便でしょう。(ならば、リースにするメリットはいずこへ?)

基本的に、公開企業を対象にしたリース会計基準の導入に合わせ、「実務に影響が生じないよう、所要の措置を講じ」(経済産業省 HPより)た結果が、中小企業、さらに公開企業においても重要性の観点から除外された300万円以下のリース取引も含め、このような会計処理を強制される結論になることが、私には、よく理解できません。
消費税だけ、原則論で対応せざるを得ないならば、法人税法施行令131の2第3項のような調整規定など作らなかった方が、むしろ、諦めがついて良かったのではないでしょうか。

《追記》1 その後、平成20年3月31日に消費税基本通達の改正がおこなわれ、最終的な会計処理は、この通達にしたがうことになりましたが、平成20年11月21日に公表された消費税質疑応答事例により、結局、従来どおり賃貸借処理時の仕入税額控除も認められることになりました。

2 平成20年度のリース取引に係る消費税改正による混乱を時系列に確認するには、当blog「リース取引と消費税の悲劇」、「リース取引と消費税の再まとめ」も御参照ください。

P.S 「会計などわからないのに会計システムの担当になってしまった!」という方には、拙書「借金を返すと儲かるのか?」(内容については小飼弾氏の書評でご確認ください)および「SEのための会計の教科書」をお勧めします。