週刊経営財務の今週号(2012年3月19日版)冒頭に、「会社法上の株主資本等変動計算書 書き出しは「4月1日残高」で適当か?」という記事が載っています。

(記事の詳細については会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)さんのブログで解説されていますので、こちらをご参照ください。)http://ivory.ap.teacup.com/kaikeinews/5238.html

話をまとめますと、過年度遡及会計基準導入に伴う会社計算規則の変更によって、株主資本等変動計算書の表示項目が「前期末残高」から「当期首残高」に変更されたのですが(会社法計算規則96⑦一)、これを日付で記載する場合、どのような記述になるのかという論点です。

3月決算会社を例にすれば、 文言通りでは「平成X年4月1日残高」という記載になりますが、4月1日中の取引を考慮すると「平成X年3月31日残高」の方が適当ではないかとも考えられます。

なお、経営財務の記事では、計算書類の「ひな形」を公表している経団連の「4月1日残高と記載することになる」との意見が紹介されています。
(ちなみに、あずさ監査法人発行の『会社法決算の実務《第6版》』でも、期首日付を想定しているようです)

実は、当方、来月初に発売する「借金を返すと儲かるのか?」の文庫版 儲けにつながる「会計の公式」―借金を返すと儲かるのか? (日経ビジネス人文庫)の原稿を「4月1日残高」として入稿してしまったので、この記事を読んで青くなっております。

20120321

文庫の方は、今後の実務動向をみながら適宜改訂していきますので、その節はご容赦ください。