本日、1月24日に、自民・公明両党より平成25年度税制改正大綱が公表されました。

http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/pdf085_1.pdf

税制上の主要論点としては、所得税の最高税率アップ、相続税の課税範囲など多々ありますが、当ブログでは、会計システムに影響を与える論点だけピックアップしてご紹介していきます。

何といっても大きいのは消費税の軽減税率について
○消費税率の 10%引き上げ時に、軽減税率制度を導入することをめざす。
と大綱上で言及されています。 Orz……

当初、公明党が主張していた8%改定時の導入から、半歩遅れたものの会計システムに大きな影響を与えることは必須です。
今後、与党税制協議会において、下記事項について速やかに協議を開始することになりました。

(税制大綱7ページ)
・対象、品目
・軽減する消費税率
・財源の確保
・インボイス制度など区分経理のための制度の整備
・中小事業者等の事務負担増加、免税事業者が課税選択を余儀なくされる問題への理解
・その他、軽減税率導入にあたって必要な事項

過去の売上税や消費税導入時の例からいっても、「対象・品目」の決定は施行直前までズレ込むことでしょう。また、システム的には対象品目以上に影響の大きい「インボイス制度」導入の可否も、対象品目の範囲によって対応方法は異なりますので、早期に方針が出ることは期待できません。

とりあえず、本年度の税制改正において、旧消費税法施行令第22条第1項の廃止にともなう経過措置(いわゆる積上法の継続)の扱いが気になるのですが、その点については以下のような記載がありますので、現行の積上法は継続されそうです。

(税制大綱81ページ)
消費税の税額計算における端数処理の特例について、当分の間の措置として、税抜価格を基礎として計算した消費税等相当額を受領する一定の場合を加える。
(注)上記の改正は、平成 26 年4月1日以後に行われる課税資産の譲渡等について適用する。

今回の改正では、一般事業会社の会計システムに影響を与えるものはほとんどありません。

ひとつ、領収書に関する印紙税の対象範囲が3万円以上から5万円以上に変更されていますので印紙税法第11条の特例を適用し、該当金額をシステムで集計している会社においては修正が必要です。

(税制大綱61ページ)
金銭又は有価証券の受取書のうち記載された受取金額が5万円未満(現行3万円未満)のものには、印紙税を課さないこととする。
(注)上記の改正は、平成 26 年4月1日以後に作成される受取書について適用する。

一般事業会社の会計システムへの影響はさほどありませんが、金融機関においては、証券税制の改変だけではなく、贈与税において新たに導入される「教育資金の一括贈与の非課税措置」など、上記以外の多くの論点がありますので、ご注意ください。

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