今朝、Facebookを眺めていたら、田端信太郎氏が、下記のブログを紹介していました。

ベンチャー役員三界に家なし
「なぜ職業人のマーケットでの実力順位と年収相関を職業毎に明らかにしないのか?」

「僕が何が言いたいかというと、エリートの視点で「仕事」を捉えると、必ず、「何がやりたいのか?」ということが中心に仕事選びを組み立てはじめる。
これを多くの非エリートがなぞることが苦しみの元になっているのではないかということだ。」

私も、この意見に強く同意します。

実は、私自身も同様の問題意識を以前から持っており、その解決案を提示するために、
「国語 算数 理科 しごと」 
 -子供と話そう「働くことの意味と価値」-

という本を著しました。

執筆過程で編集者とも意気投合し「これはイケる!」ということで、イラストを存分に使った上に、全面カラーというビジネス書としては例外的なコストをかけて製作しました。
しかし、フタを開けてみると、当初の自信とは反対にまったく売れず、天国から地獄へ・・・・

藁をもすがる思いで著名な書評ブロガーに献本を始めたところ、小飼弾氏の 404 Blog Not Found で取り上げていただき、一気に売上を回復することができました。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51006713.html

この本が、当初の販売推移のままならば、以降の書籍の出版機会もありませんでしたから、まさに「地獄で仏」としか言いようがありません。

本書は、会計の入門書としての機能も有していますが、本質的なテーマは「仕事とは何か」という疑問に対して、私なりの回答を提示するものです。

そもそも、仕事の種類は時代によって変化していきます。現在は存在しない職種や業界が増加していくことが経済全体の発展にも貢献します。
しかし、「好きなことを仕事にする」という職業観は、既存の職業を前提にするため「職業の拡張性」という視点が欠落しています。

「好きなことを仕事にする」のが理想であるのは確かです。
しかし、「好きなこと」に出会った幸運な人は、人に言われなくても、その道に進むのですからアドバイスは不要です。
問題は「好きなこと」を見つけられない圧倒的大多数の人々に、どのような職業観を身に付けさせるかです。

「すべての職業に 深みと広がり があり、それを知った上で研鑚を続けて行けば、新しい境地に達することができる」 というのが職業の実際であり、仕事の充足感に占める「好き嫌い」の割合は思ったほど高くないのではないでしょうか。

結局、自著の宣伝になってしまいましたが、本書を一人でも多くの方に読んでもらいたいという思いが、現在も、私が執筆を続けているモチベーションになっています。(編集者とは、すべての学校の図書館に1冊置かれることを目指していました)

書店で見かけられたら、是非、一度、お手にとってみてください。

ただし、現在では紀伊国屋等の大手書店にしか置かれていませんし、棚の場所も「会計」ではなく、「学習参考書」や「教育指導」(!)といった棚に紛れ込んでいますのご注意ください。

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