先日、発売された 『旬刊経理情報』(中央経済社) 2014/7/1号
『8%対応を総括していまから備える
       消費税率10%への対応策と留意点』

を寄稿しました。

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今回の8%への税率改正で生じた問題点を総括するとともに、次回の10%改正と今回の改正の相違点についてまとめています。

会計の専門誌ですが、お手許にございましたら、ご一読いただければ幸いです。

この記事を書くために、税率改正後、大手の小売業が、どのような価格表示方法を採用しているかを、あらためて確認してきました。

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私の当初の予想では、ほとんどの小売業が税抜価格表示に変更すると考えていたのですが、税込価格表示を維持している企業もかなり残っています。

また、実際の値札表示も、税抜と税込価格の文字の大きさを変えるなど、様々な形態があります。

あらためて価格表示の現状をみてみると、各社とも混乱した状況にあるというのが感想です。

規模の大きいスーパーでは、食料品、雑貨等のフロアごとに価格表示が異なったままの店舗もありました。
複数店舗が共存するショピング・モールでは、チェーンごとに表示方法が決められているため、隣接する店舗ごとに価格表示が異なる状況は、今後も継続します。

先日、近所の家電量販店でクーラーを買い替えたのですが、代金精算の伝票を作るのに店員さんが悪戦苦闘しています。
伝票をのぞいてみると、工事代金の価格表が税込ベースで作られているため、税抜ベースの本体価格を、一旦、税込ベースに直してから書き込んでいます。
検算を手伝ってあげながら(これは、専門家としての善意ではなく、間違って請求されるのが怖かったからですが)、話をうかがっていると、おもしろい話をしてくれました。

現在、ほとんんどの家電量販店は税抜価格表示を採用しているので、お客さんとの値段交渉も税抜ベースで行われます。

苦労して交渉をまとめても、精算時に税金を加えた金額が、交渉前の税抜価格より高くなってしまうと怒りだすお客さんが多くて困っているとのこと。

今回の税抜価格表示は、3年間(平成29年3月31日まで)の時限措置であり、その後は、従来の税込表示に統一されます。

しかし、その前に、複数税率が導入されたらどうなるのでしょうか。

販売員の方々の苦労は、しばら続くようです。


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