東洋経済のサイト に、サイゼリアの堀埜一成社長へのインタビュー記事
「サイゼリア、社長も驚く「1円値上げ」の成果」
https://toyokeizai.net/articles/-/366926
が掲載されています。

20200805

「コロナ対応策の1つとして同社が打ち出したのが、これまで頑なに299円(税込み、以下同)を維持してきた看板商品「ミラノ風ドリア」を7月から300円へ1円値上げしたこと。全商品を50円単位の価格に設定したのだ。」

顧客に買い得感を与えるマーケティング手法として端数価格と呼ばれるものがあります。
商品の価格を桁上がりが起こる直前の端数に設定するもので、980円とか、4,980円といった値札は、皆さんもよく目にしているでしょう。
サイゼリアも、従来、この端数価格を用いていたのですが、コロナ対応でおつりのやり取りを減らすために端数価格を取りやめ50円単位の価格に設定し直しました。

この価格改定の成果として、コインの受け渡しや精算時間が減るだけではなく、客単価も上がったという話が紹介されています。
詳細についてはリンク先の記事をお読みいただきたいのですが、最後に次のような発言があります。

「他社にもおすすめしたいぐらいだ。ただ、当社はずっと税込みの価格表示にしてきたからすぐに改定できたが、税抜きの価格設定をしているところは、税込み価格を50円単位にそろえるのは難しいだろう。」

堀社長も指摘されているように、多くの小売業では、消費税分割高に見える税込価格表示ではなく税抜価格表示が選択されています。
また、複数税率制度(店内飲食は10%、テイクアウトは8%)に対応するために税抜価格表示にせざるを得なかった業態もあります。
今回のサイゼリアの事例は、今後の価格設定を考える際に参考になるものでしょう。