(先日から続く)
法人税基本通達 7-4-4にしたがって減価償却方法の変更を行う際の2つ目の問題点は耐用年数の扱いです。

法人税基本通達7-4-4
(定率法を定額法に変更した場合の償却限度額の計算)
              (中略)
(2)耐用年数は、減価償却資産の種類の異なるごとに、法人の選択により、次のイ又はロに定める年数による。
イ 当該減価償却資産について定められている耐用年数
ロ 当該減価償却資産について定められている耐用年数から経過年数(その変更をした事業年度開始の日における帳簿価額を実際の取得価額をもつて除して得た割合に応ずる当該耐用年数に係る未償却残額割合に対応する経過年数)を控除した年数(その年数が2年に満たない場合には、2年)

(イ)に定められているように、税法上は、通常の耐用年数をそのまま用いてもよいのですが、そうすると、減価償却費の計上ペースが遅れるため、税務上不利になります。また、償却方法の変更によって資産の耐用年数が延長されてしまうのは、会計理論上も不合理ですので、(ロ)の経過年数を差し引いた耐用年数を用いるのが一般的です。

この、(ロ)の年数は、個々の資産の経過年数を考慮する必要があるため、資産の用途・構造で定められている法定の耐用年数表を自動的に適用することができなくなります。